Tuesday 30 April 2019

時代の転換期

平成という時代が終わろうとしている。昭和に生まれ思春期に平成となり30年経った。なんだかんだいって平成の影響を強く受けて生きてきたのかもしれない。

平成は変化の時代だったような気がする。世界が何回かひっくり返された印象さえ受ける。良い悪いという価値観ではもう何も計れない。複雑になり過ぎて全てが行き詰まってしまったかのようだ。

明日から令和というあたらしい時代が始まる。フッと何かが変わる時が訪れると信じたい。これほどまでに多様化した世の中でも飛び切り気持ちよく響く何かはきっとあるはず。夢にあふれる時代を生きてみたい。

(青柳)

Sunday 14 April 2019

チェリーブラッサム

今年の春は様子がおかしい。こちらに越して来てはじめて冬に雪かきをしなかった。その作業は大変だけれどそれ以上に暖冬が影響するだろう様々なことを思い浮かべて、心配になる。琵琶湖の深呼吸もなかったらしいし・・・。

桜の開花も平年より遅い気がするし、この時期なら昼間には使わなくていいストーブもまだ離せない。春は肝の季節なので、どこか体調も思わしくない。(こちらは例年通り。)

それでも春は、フレッシュな気持ちと一緒にやってくる。満開の桜の花と菜の花広がる田園風景。桜餅と三色団子、お茶を入れて花見にでかけた。

(my)

Monday 8 April 2019

十王村の水

一年ほど前から、飲料水として湧水を汲みに行っている。それ以前は水道水を浄水したりしていたが、彦根にある十王村の水を飲み始めたら、普通の水に戻れなくなってしまった。独特のとろみと柔らかさは天然水ならでは。

その水がここしばらく飲めなかった。2月に訪れたら、ポンプの故障のため利用不可と掲示されていた。人間はさておき湧き水の池でいつも元気そうに泳いている鯉が心配。(しばらくして鯉のための水の汲み上げは再開した。)

最初は水道水に抵抗があったけど、しばらくしたら自然と気にならなくなってしまった。人間の適応能力(=慣れ)は凄いものだ。

最近湧水が再開したと聞いて、早速汲みに行って来た。タンクに入れた後、衝動的に体が求めて両手ですくって飲んだ。「ああ、これだ。」記憶に刻まれていた水の味が口の中に広がった。池の鯉たちは日光を浴びてからだの表面が透き通ったように光っていた。

朝に十王村の水で淹れたコーヒーを飲みながら、いつも当たり前と思っている身の回りの色々なことのありがたさ、かけがえのなさについて考えた。

(青柳)

Wednesday 3 April 2019

いちご畑でつかまえて

ふぞろいの苺がたくさんつまったパックをみつけた。春だなぁ。ジャムに良さそう。比較的きれいなものはそのままおいしくいただいて、あとはジャムに。佐藤雅子さんの保存食の本を参考に。

パックの中には、花のはなびら。いちご畑の側に、梅の木でも立っていたのかな。

急に、大島弓子のいちごのタイトルがついたマンガが読みたくなる。

今日はまだまだ寒いけれど、明日にはあたたかくなるというニュースを信じよう。

(my)

Monday 1 April 2019

エラールピアノ

先月コンサートでびわ湖ホールを訪れた際、ホール奥のロビーに置かれているグランドピアノが気になった。よく見かけるピアノと佇まいが異なっていた。近づいて見ると、古い物であることはすぐ分かったが、細部を見れば見るほどデザインが新鮮で、モダンな印象さえ受けた。とても美しく思った。

1927年に作られた「エラール」というフランスのメーカーのピアノだと横に置かれていた案内板に書かれていた。2007年から始まったロビーでの展示はどうやら今年3月に終了するらしく、お別れのコンサートシリーズがあるらしい。これは良いタイミングに知ることができた。

最終日の青柳いづみこさんのコンサートに参加した。曲目はフランスの作曲家、クープランとラモーの作品。最初にピアノの音が鳴ったとき、普段コンサートで聴くグランドピアノとは全く違う印象を受けた。控え目な響きだが、一音一音がクリアに聴こえる。解説によると、チェンバロ時代に作曲された曲を現代のピアノで弾くと過剰に装飾的な響きになってしまうこともあるそうだが、エラールだと気持ちよく弾けるそうだ。

現代のグランドピアノはより大きなホールでの演奏を可能にするために、大きく華やかな音にしているのではないだろうか、と想像した。時代のニーズに応じてピアノは変化して来ていることを体験として知ることができた。スピーカーも同じく時代によって変化している。現代に聴くバックロードホーンのサウンドは、僕にとってとても新しい。エラールの味わい深く飾り毛のない音は、スピーカーMONOに通じるものがあると思った。

アンコールでドビュッシーの『月の光』を演奏してくださった。あまりに新鮮なその響きに心を奪われた。ピアノの背後に見える雨模様の琵琶湖の景色とあいまって、時間が止まったような不思議な気持ちになってしまった。

(青柳)