齢50にして、はじめて洋裁にもはまりそうな気配。ちなみに学生時代に授業でパジャマを縫って以来。なんかそのときは地味な細かい作業がいっぱいで、なんだかめんどくさくて向いてないな~と思っちゃった。今はそういったことが苦手じゃなくなっているのも良いタイミングだったのかも。
ここに来るまで、ずっと都市近郊で街に近いところで暮らしていた。ウィンドウショッピングだったり服屋さんに行くのが習慣で、好きなお店の顧客になって新入荷のお知らせ葉書をもらうのも好きだった。ファッション雑誌や洋書も、かなりチェックしていた。
田園地帯に住むようになり、昔よりふらりと気軽に街歩きしたり、しばらく好きな雑誌も見つけられず、そもそも定期的にお洋服を買う習慣も忘れてしまったのかのよう。ドレスアップの機会も少なくなったし。それに加えいざ必要な普段着を買おうと思っていても、なかなか価格のバランスと生地やら産地やらデザインがいいなと思うものが昨今少ないように思えて、余計おめかしから遠ざかってしまっていた。ファッションビジネスの構造の諸問題が気になり調べてそういった関係書を読んで考えることがあったことも、気軽に買えなくなってしまった原因かもしれない。
近所に、近江上布伝統産業会館がある。ホラオーディオも、ここで仕入れた麻布を使っている製品がある。滋賀は麻の昔からの一大産地なのです。そこでとてもすてきな麻布を見てそのすばらしさを知った。また、テキスタイルの産地である岐阜愛知も比較的近い。そういった質の高い布をつかって、好みでなおかつサイズの合った服をつくれるようになったら、ええなと思いはじめた。気に入ったものがなければ、つくってしまおうという心意気。それまで服に興味はあれど、あくまで買うもので、つくることは私の想像外だった。
そう思い始めて、気になる洋裁本を集め始めたもののきっかけを掴めないまま、はや数年。最近ミシンをもらい、良い機会が訪れたとやっとこさ行動にでることにした。まずはdarumastoreでバッグキットを買ってみて、はじめひるんだもののなんとかできそうだと手ごたえをかんじた。
次は「大きな服を着る、小さな服を着る。」から、近江上布会館で以前から気になっていたリーズナブルな麻布をドキドキしながら必要な長さを切ってもらい、いざミシンの前へ。本から型紙を写すことから???の連続で悪戦苦闘しつつリラックスパンツとやらをつくってみたら、すごく楽しかったのです。技術的には初心者やからもちろん既製品のクオリティにも程遠いんだけど、糸の色さえ合わせていたら縫い目が曲がっていても気にならないし、自分が着るんだし別に問題なし。布が良いからか、けっこういい感じの服に見える。
それから、型紙のこと、採寸の事、布の選び方、いろいろ気になって、そのことで頭がいっぱいになっている。ひとつのことが気になったら、調べ倒しのめりこんでしまうのは、いつもの癖。次は、農作業用のもんぺとスモッグをつくってみたい。(ボーダーとか水玉もいいな。)編み物と洋裁、畑仕事の上達が、今の目標だな。
*洋裁の先輩として、藤田嗣治が気になる。葉巻を加えながらタンクトップと雪駄で足踏み式ミシンで縫物をしている写真を見たけれど、めちゃ格好いい。singerのミシンを使っているのも少し嬉しい。(もらったのも、同じメーカーの現代の製品。)
(my)