Monday 31 December 2018

忙しい病

気がついたら大晦日になっていた。慌てて今年最後のブログを書き始める。去年ブログ癖を身につけたと思っていたのに、今年はどうも書くことができなかった。時間が無かったから、というのは思い返せば、本当にそうだったのか、かなり疑わしい。毎日欠かさずレコード聴いたり、たばこを吸ったり(今年からパイプに移行しました)してたから、言い訳がましく思ってしまう。ただ単に「忙しい病」にかかってしまったのかもしれない。

近年時間の進み方の早さは加速度を上げている。時間の渦に飲まれているような感覚。個人的なものなのか、世の中全体のことなのか。歳をとったことも大きな原因の一つだとは思うのだが、それだけでもないような。

インターネット、eメール、携帯電話といった画期的なツールが世の中に及ぼした影響のことをついつい考えてしまう。人の行動、そして思考パターンは明らかに変化した。「いつでもどこでもできる」と思ってしまう癖が、「忙しい病」発症のいちばんの原因だと感じている。

インターネットを使わないとか、無い世界を今更考えても現実味がない。実際かなりの恩恵も受けている。「どう付き合っていくのか」がこれからの課題だと思う。自分に合った使い方を身につけると思考パターンも変えることができるかもしれない。時間に流されるのでなくて、乗りこなしたい、というイメージ。

音楽が流れる時間はいつでも一定だ。同じ時間だけ空間の空気を震わせる。振動をキャッチする自分が時間に流されているようでは、音楽の全てを味わうこと到底出来ないだろう。

ストーンズも歌っていた『TIME IS ON MY SIDE』をテーマソングにして何かを変えてみようと思う。

(青柳)

Sunday 9 December 2018

ヨーロッパ物音日記 #2

どの国も郷土料理に美味しいものありというのが私の持論。(好みはあるけれど。)
 
30代の頃は食べものについて制限系(ベジタリアンとかオーガニックといった)のこだわりがありなかなか旅行でも不自由だったが、彦根に越してきて思うことあって今はそういった考えを捨てた。わたしにとってはよかった決断でした。
 
基本的に食べることが好きなので、知らない土地のごはんにとても興味がある。
 
今回訪れたノルウェー・ドイツ・ポーランド、どの国もそれぞれ美味しかった。
ごちそうになった以外は、ホテルでスーパーマーケットで買ったもの(例えば、チーズにハム、ザワークラウトの缶詰)やら安食堂で食べたりバックパッカー的なものでしたが、それでも!
 
帰ってきて、早速図書館にて1970年代初頭に刊行されたライフタイムブックス世界の料理シリーズ(日本語版江上トミさん監修)や各国料理についての本を借りる。このシリーズは写真といい内容といい最高なのです。ただドイツとスカンジナビア料理の本はあっても、ポーランドのものがなかった...。
 
ワルシャワの大衆食堂で食べたぎょうざみたいなピエロギ(ほんとうにぎょうざルーツらしい)やドーナツのポンチキ。全体的に素朴で私好みだったので、日本でつくってみようと思ったのに・・・。
 
調べてみても、ポーランド料理の本ってあまりない。そういえば、ポーランド料理って食べたのはじめてだったかも。
 
なんとか「ポーランド料理道」というすてきな本の情報をネット上でみつけましたが、オンラインで読めるのみ。紙ベースのものがほしいので、なんとか手に入れることができればと思っている。
 
江上トミさん監修「スカンジナビア料理」「ドイツ料理」より
右のドイツ料理の表紙写真はクリスマスにつくるお菓子の家
写真の質感といいすてき!心躍る。
 
(my)

Wednesday 5 December 2018

欧州モノノネ日記 その1

ずいぶんと久しぶりの海外。十年くらい前はアートの仕事で一年の半分くらい海外にいたのに。プライベートでほとんど旅をしないタチなので、海を越えるにはそれなりの目的がないと行動に移せない。

今年ノルウェーのオーディオショップでスピーカーの取り扱いが始まったこともあって、ヨーロッパのオーディオシーンを直に見に行くことにした。スピーカーMONOが海外でどのように響くのか、どんな評価を受けるのかを知りたくなり、初の海外営業を行う決心をした。海外市場の方が活気があるという噂も、実際に行って見ないと分からない。

オーディオの世界だけでなく、ヨーロッパの人たちがどんな日常を送っているのかも知りたかった。どんな顔してみんな街を歩いているのか、街の様相は変わったのか。そう、ヨーロッパの空気を久しぶりに肌で感じたかったのだ。

バタバタのスケジュールで、出発前日は徹夜で準備作業。時差ボケ防止には寝ないほうが逆に良いと自分を励ましながら、スーツケースにスピーカーを入れるための保護ケースを作った。ふたつのスーツケースはスピーカーと機材で完全に埋まってしまった。ヨーロッパでの防寒を考えながらバックパックに入れれる分だけ服と着替えをセレクトするのが難しかった。

朝4時半にふたり分とは思えない物量の荷物を車に積んで最寄りの駅に運んだ。妻に駅で待ってもらい、僕は車を家に駐車し、徒歩で駅に戻った。タクシー営業のない早朝だったので、思いついた苦肉の策。始発電車に乗って京都に行き、初めて「はるか」に乗った。

ゆったりとしたシートに座った途端、睡魔に襲われ、気がついたら関空の橋の途中。9月の台風がどれだけ凄かったかを目の当たりにした。出発3時間前の誰もいないカウンターでチェックイン。荷物を運びながら感じていた悪い予感が的中し、スーツケースは重量オーバー。慌てて、ビニールのバッグを購入して荷物を詰め直した。二度目のチェックインでは、バッチリ重さクリアで胸をなでおろした。

551の豚まんを食べて、空港の書店で未読の『スプートニクの恋人』文庫本を購入。気がついたら搭乗時刻が近づいていた。搭乗直前の一服を済まして、機内へ。席に着いたら、心地よい疲労感。ここまでで十分ひとつの旅を終えた気分。

(青柳)