Sunday 29 April 2018

Pleocene

世間ではゴールデンウィーク中。今日の気候はいっきに初夏を飛び越え夏になったよう。春なのに25度を超えていこうという歌詞も、今は30度に変えなくてはいけないかもしれない。

大型連休期間は基本的には特に変わらずどこかに出掛けるとかもなく、horaanaで仕事をしている。(会社員をしていたころのこの季節の高揚感は懐かしい遠い思い出。)自分にとって連休期間ぽい気分を味わえるのは5/4にショールームhoraanaで"open day"を行うこと。

普段はショールームは予約制をとっている。今春、horaanaでフェス「春本番」を行ったことをきっかけに、ショールームをリニューアルした。スピーカーをじっくり体験できるなかなかリラックスできる特別な空間に成長したかなと思っている。

(タイトルは、細野晴臣さんの曲名から拝借。文章の内容とはまったく関係ないのですが、今日何回も聴きました。個人的には特にシンセサイザーのメロディがぐっときます。)

(my)


Monday 23 April 2018

ものづくりって

HORA AUDIOホームページのリニューアル作業を1ヶ月間以上やっている。早朝と夜に時間を決めてパソコンに向かっているが、なかなか思い通りに進まない。本も見ないで、不慣れなウェブ製作ソフトをいろいろといじりながらやっているから、かなりどんくさい。ちょっと順調に行っているなと思ったら、ページが複雑になり過ぎてパソコンが動かなくなったりして、やり直しも度々。でも、こうやって手を動かしながらアイデアを膨らませていくやり方が肌に合っているから仕方がない。

普段やっているスピーカーづくりは「頭」より「手」や他の感覚を多く使っている気がする。もちろん全ての感覚は脳に繋がっているから厳密に言うと頭を使っているのだろうけど、パソコンや事務仕事とはなんか違う。順番が逆で「手」が「頭」より先に動いているのかもしれないな。

パソコンと木工作業で共通して思うのは「ものづくりは地味」だということ。すごく時間をかけて作っていても、その労力は完成したモノからはパッと見ただけでは伝わりづらい。面白いのは、上手く出来たもの程そういう印象を受けることが多いということ。苦労をさしおいて、元々そうであったかのように自立した存在に感じられたらとても嬉しい。

写真だけを見てインターネットで購入した商品にがっかりすることがある。写真は嘘をついてはいないけど、実際のモノがもつ情報量はデジタル化不可能なくらいに多いからだろう。

HORA AUDIOの製品が醸し出す「佇まい」をホームページで伝えたいと思っているけど、とても難しい。理想を追求しても無理かもしれないから、せめてホームページ作りのプロセスだけでも「手」と「頭」をふんだんに使った人間くさいものにしてみようと思っている。

(青柳)

PS. 今月中にリニューアルホームページを公開予定にしています。本当にあまり変わり映えしない感じですけど…

Saturday 21 April 2018

日日雑記#5

あっという間にあたりが新緑に。4月なのに初夏を思わせる日差しと気温。洗濯ものがはかどるのはいいことだけれど。時間感覚がわからなくなる。

植物はすごいなと毎日思う。

最近、環境のせいかだんだんこだわりがなくなっていく。前はどこどこの何々がないととか不自由だった気がする。今手に入るもので工夫して最善をつくすことに喜びを感じるように。身軽になって、自由な気持ちになっていく。いかに雑誌や情報、記号といったものに踊らされていたか。

いくつになっても、おもしろいこと興味深いことは尽きない。そのときによって、ぴんとくるものを追いかけていたい。

空高く2羽のとんびがうつくしい声で鳴きながら円を描いていた。昼間の月が背景に見えた。

(my)


Saturday 14 April 2018

えーあい


「AI」という言葉がここ最近いろいろなところで取り沙汰されていると思っていたら、すでに現実世界に形となってかなり浸透しているようだ。

「Artificial Intelligence = AI」という言葉をはじめて知ったのは、四半世紀前、大学生の時に買ったWarp RecordsのコンピレーションCDのタイトルからだった。今では死語と化した「インテリジェント・テクノ」というリスニング向けのテクノミュージックがあると知って買い求めた。それまでもKraftwerkやYMOなどのクラシック・テクノはお気に入りだったが、現代的な四つ打ちテクノが自分の好みかどうかについてはかなり懐疑的だった。

冒頭の "The Dice Man" によるトラックを聴いた瞬間、新しい世界が広がったような気がした。「人工知能」というタイトルから連想していた「無機質さ」や「冷たさ」とは対極にある「温かさ」をその音から感じ取った。

この曲をきっかけにRichard Jamesという存在を知り、Aphex Twin、Polygon Window、AFX等の別名義音源を買い漁ることになった。結果として、このコンピレーションとの出会いによって、テクノワールドにどっぷり浸かっていくことになってしまった。Autechre、Richie Hawtin、Alex Patersonといったキーとなるアーティストが多数参加していたのも功を奏したのかもしれない。

久しぶりにMONOでこのCDを聴いてみた。
最初の印象のままに「人肌テクノ」で嬉しくなる。

こういう音楽に接すると、ものづくりにおいて、テクノロジーが新しいか、古いかはあまり重要な要素ではないと思ってしまう。肝となるのは、結局「作り手のこころ」。そこに同調するかどうか。

現在の「AI」技術の背景には、もちろん「人」がいる。多数の人が関わって作っているからか、その「こころ」がかなり感じ取りにくくなって来ている気がする。もうすでに「AI」が新しい「AI」を作り始めているのなら、正直もうゴメンという気持ちになってしまう。

(青柳)

Thursday 5 April 2018

昭和の料理本

最近、庭仕事(こちらを参照ください>園芸家12ヶ月) と同じく夢中になっているのは昭和の料理本研究。時期は1970年代から80年代にかけてのもの。当時はスパイスや調味料も今より手に入りづらかったのだろう。ベーシックなものが多く、かえっていい。

もうなかなか手に入らなかったり、古本市場でも高値のものも多いので、もっぱら図書館で借りている。もちろん書庫に入っていたり、所蔵していないものも多いので、取り寄せてもらっている。これが楽しい。特にお菓子本。

スタイリングもとても贅沢で夢のおとぎばなしのようなものも多く、ケーキのデコレーションも過剰。特に文化出版局、鎌倉書房の本がぐっとくる。

入江麻木、佐藤雅子、ホルトハウス房子等、本を広げる度にわくわくする。西洋に対して憧れがあった時代。物語のようなすてきな世界が展開されているのは西洋料理本が多いような気がする。

実際は、西洋料理より和食のほうが興味あるしだんぜんつくるのは季節に応じた地元の食材を活かした和を中心とした料理。それでもひさしぶりこういったなつかしいこってりとした料理をつくってみようといった気になる。きちんと手間隙かけてつくる料理が掲載されているのも好印象。あいだにはさみこまれているエッセイも良いものが多い。食に関する本が好きなわたしにとっては、それも嬉しい。

(my)

Sunday 1 April 2018

場が成長するとき

先日開催した『春本番』をきっかけにhoraanaが一気に成長したようだ。

初めてのフェスだったので、建物・敷地全体を使えるように色々と手を入れることにした。結局予定の8割くらいしか達成できなかったが、空間や空気の流れが大きく変化したようだ。

物の配置がひとつ変わると以前と全く違う空間に見えるから面白い。ずっと好きじゃなかった土壁の色がハッとするくらい美しく見えたのには驚いた。どんな関係性もとても繊細なバランスの上に成り立っている。関係性の変化が次へ次へと波及していく。その流れを読み取って、より自然になるようにしていきたい。

horaanaの成長はしばらく続きそうだ。そういう時期なのだろう。オープンしてからちょうど2年というタイミング。
春がやってきて草木がニョキニョキ土から顔を出しているみたいだ。

(青柳)