平凡社STANDARD BOOKSというシリーズがある。科学と文学双方を行き来する知性を持つ科学者や作家の作品を集め、一作家につき一冊として紹介している。
常日頃から、理系と文系を分けることについて疑問を持っている。どちらの考え方も分けるものではなく、お互いを助け合うもののように感じている。
とはいっても、いわゆる文系の道を進んできただろう私は科学者たちの随筆を読むことはあまりなかった。(寺田寅彦くらい?)最近図書館で、914.6(分類でいうと日本の随筆エッセイ)の棚を物色していたときに背表紙できらりと光る本と目があった。手にとってみると、それが「岡潔 数学を志す人に」という本だった。
数学を志す人にという、わたしとかけ離れたタイトルだったが装丁の素敵さにぴんときて借りた。読んですごくはまってしまった!文章は明快でわかりやすく、内容はとても深い。そして、最後のページにある平凡社の編集者による”刊行に際して”という文章にぐっときた。岡潔に出会えたことはもちろん、このシリーズの大ファンになった。
ちなみに他のラインナップも、寺田寅彦・中谷宇吉郎・野尻抱影・牧野富太郎等と魅力的。現在も続々刊行中である。最新刊は、日本野鳥の会創立者「中西悟堂 フクロウと雷」。(これまたそそられるタイトル!わたしは大のフクロウ好き。)
装丁もどれもすてきでおうちの本棚に置きたい感じ、タイトルも魅惑的。今の楽しみはこのシリーズを読破していくこと。その喜びを思うと、本はいいなぁとわくわくしてしまう。
(これは図書館で借りたもの。こんなにすてきなので欲しくなる。じっくり集めたい。)
(my)