約1年間ぶりのブログ投稿。
どうして書かなかったのかというと、書けなかったのだ。
2019年はずっとスピーカー開発をやっていた。目に見えない音の世界をさまよっていると頭の中の回路が切り替わってしまったかのように、文章が書けなくなる。自分でも不器用な頭だなぁ、と思うけど実際すごく難しい。
5年前にMONOを開発してからずっと貯めていた断片的な音のイメージを形にする作業。オールホーン形式の大型スピーカーということは決めていたけれど、これがなかなか思い通りの音を響かせてくれなかった。
毎日改善点を色々と調べたり、音の謎について思いを巡らせていると、どんどん論理的(言語的?)な頭ではなくなってくる。音のちょっとした動きの変化を捉えようと感覚を高めようとするあまりにアンバランスになってしまうのだろう。
紆余曲折あったが、11月にスピーカーCOCOが誕生した。この春には新たにスピーカーNORMも。当初は続けて2つ開発する予定ではなかったのだが、事の成り行きというもの。
頭の回路も元に戻ったようなので、これからはちょくちょく投稿します。これからもよろしくお願いします。
(青柳)
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Sunday, 26 April 2020
Sunday, 26 May 2019
五月の風
さまざまな種類の鳥や蝶が空中を飛び交う。新緑が目に眩しいほど鮮やかだ。五月は、身の回りの自然から音楽的な感覚を喚起される季節。古今東西を通じて音楽家たちは、生命感溢れるこの季節の一瞬のキラメキのようなものを永遠に保存するために作曲したに違いない。
耳を澄ませば、風の音が聞こえる。風の音ってなに?改めて確認してみると、風が吹いて木の葉がこすれる音だった。しなやかな若葉から生まれる風の音は、他の季節では聴けない特別な音質を持っている気がする。純粋に風の音だけ(空気が動く音)を聞くことはできないのかもしれない。現実世界の物質があるから僕は音を感知する。
レコードやCDで音楽を聴くのをやめて、このまま風の音だけを聴いていたいところだが、そうもいかない。五月の自然に喚起されて、僕の音楽欲は旺盛になっている。新しい音楽、聴き慣れた音楽、何を聴いても心踊る。一ヶ月前は何を聴いても楽しめなかった。音楽狂の僕にとっては珍しい状態だったのに。
風が心地よい季節が年々短くなって来ている。気がついたら夏の空気となっていた。美しいものは何とも儚いものだ。
(青柳)
耳を澄ませば、風の音が聞こえる。風の音ってなに?改めて確認してみると、風が吹いて木の葉がこすれる音だった。しなやかな若葉から生まれる風の音は、他の季節では聴けない特別な音質を持っている気がする。純粋に風の音だけ(空気が動く音)を聞くことはできないのかもしれない。現実世界の物質があるから僕は音を感知する。
レコードやCDで音楽を聴くのをやめて、このまま風の音だけを聴いていたいところだが、そうもいかない。五月の自然に喚起されて、僕の音楽欲は旺盛になっている。新しい音楽、聴き慣れた音楽、何を聴いても心踊る。一ヶ月前は何を聴いても楽しめなかった。音楽狂の僕にとっては珍しい状態だったのに。
風が心地よい季節が年々短くなって来ている。気がついたら夏の空気となっていた。美しいものは何とも儚いものだ。
(青柳)
Monday, 14 January 2019
欧州モノノネ日記 その2
海外へ行くには飛行機に乗らないといけない。現代ではほぼ間違いなく。ゆったりとした船旅は憧れるけど、いまではかなり贅沢な印象を受ける。ジェット機だとヨーロッパまで半日もかからずに移動できるなんて、改めてスゴイなぁ。
久しぶりの空旅で新しくなっていたのは、各座席にタブレット端末が埋め込まれていたこと。自由に映画やら音楽やらゲームやらを楽しめる。WIFIも利用できた。地上で当たり前のようにしていることが、飛行機の中で出来ないなんて、時代遅れなことなのだろう。地上でも自由に吸えないタバコは、当然禁止されていた。愛煙家としてはせめて喫煙ルームくらい設けて欲しいところだが、そんな時代を逆行するようなことは公共の場ではまず起こらない。
タブレット画面にリアルタイムの飛行情報を表示させることができた。時速900km以上のスピードで飛んでいるらしい。秒速に計算すると250m/s以上ということになる。音速340m/sに近い世界。これはとんでもないことだ。機内では普通に快適な空間を装っているが、実際はかなり特異な状況に置かれていることを肌身に感じた。
音速に近い空間の中で鳴らした音楽はどう耳に届くのか気になった。気圧も低いわけだし、音の響きは変化するはずだ。スピーカーMONOを機内に持ち込んで試聴したい衝動に駆られたが、まず無理だろう。ファーストクラスでもお断りかもしれない。やるなら自家用ジェット!?・・・とかなんやらくだらないことを考えたり、音楽ドキュメンタリー番組(Betty Davis、西独と東欧のテクノカルチャーの2本。面白かった。)を観ているうちに、あっという間に乗り換え空港のアムステルダムに到着した。
(青柳)
久しぶりの空旅で新しくなっていたのは、各座席にタブレット端末が埋め込まれていたこと。自由に映画やら音楽やらゲームやらを楽しめる。WIFIも利用できた。地上で当たり前のようにしていることが、飛行機の中で出来ないなんて、時代遅れなことなのだろう。地上でも自由に吸えないタバコは、当然禁止されていた。愛煙家としてはせめて喫煙ルームくらい設けて欲しいところだが、そんな時代を逆行するようなことは公共の場ではまず起こらない。
タブレット画面にリアルタイムの飛行情報を表示させることができた。時速900km以上のスピードで飛んでいるらしい。秒速に計算すると250m/s以上ということになる。音速340m/sに近い世界。これはとんでもないことだ。機内では普通に快適な空間を装っているが、実際はかなり特異な状況に置かれていることを肌身に感じた。
音速に近い空間の中で鳴らした音楽はどう耳に届くのか気になった。気圧も低いわけだし、音の響きは変化するはずだ。スピーカーMONOを機内に持ち込んで試聴したい衝動に駆られたが、まず無理だろう。ファーストクラスでもお断りかもしれない。やるなら自家用ジェット!?・・・とかなんやらくだらないことを考えたり、音楽ドキュメンタリー番組(Betty Davis、西独と東欧のテクノカルチャーの2本。面白かった。)を観ているうちに、あっという間に乗り換え空港のアムステルダムに到着した。
(青柳)
Wednesday, 31 October 2018
音の缶詰
朝、夢うつつベッドの中から、ラジオを聴いていた。80年代の歌謡曲が流れる。その時代の空気がその音には詰め込まれている。缶詰をあけたときのように、新鮮に思い出される。時代を象徴するような音。
時代を象徴するものと時代を飛び越えてtimelessなもの、そのどちらか。
個人的にはいつの時代か分からないものの方が好みなんだけれど、たまにはこういった時代を感じさせるものもいいなとも思う。
(my)
時代を象徴するものと時代を飛び越えてtimelessなもの、そのどちらか。
個人的にはいつの時代か分からないものの方が好みなんだけれど、たまにはこういった時代を感じさせるものもいいなとも思う。
(my)
Thursday, 27 September 2018
モスキートーンの秋
今年の夏は経験したことないくらい暑かったからだろうか、蚊がとても少なかった。人間もうなだれるくらいだから、蚊にとっても暑い空気の中を活発に飛び回る気にはならなかったのだろう。それとも暑さで弱った人間の血は美味しくないのかもしれない。
9月に入り少し涼しくなると、蚊がここぞとばかりに活動を始めた。夏の間おとなしかった分、とても精力的に飛び交っている。種を残すために、多少寒くても必死になって頑張っていること自体は尊敬に値するが、刺される身としてはやはり辛い…
作業をしていると耳元でプーンと音がするが、いろいろと物の多い工房で蚊を目視するのはとても難しく、仕留められることはほとんどない。両手を離せない重要な作業をしているときに限って、素晴らしいタイミングで手の甲を刺してくる。血を吸っている姿を横目で見つつ作業を続けなければならない時の切なさ…。人間が想像もできないような嗅覚を持っているのだろう。あまりにひどいので、夏の間に使い切ってしまっていた蚊取り線香を急遽買いにいくことになった。
中秋の名月も過ぎたことだし、そろそろコオロギや鈴虫の奏でる音だけを楽しみたい。秋のオーケストラにモスキートーンが加わると一気に風情がなくなってしまう。申し訳ないが、夏公演での名演をお願いしたい。
(青柳)
*モスキートーン:17kHz前後の高周波。人間の可聴音域は20Hz〜20kHzとされるので、かなり高い音。高齢になると聞こえづらくなるので、耳年齢のチェックになる。
9月に入り少し涼しくなると、蚊がここぞとばかりに活動を始めた。夏の間おとなしかった分、とても精力的に飛び交っている。種を残すために、多少寒くても必死になって頑張っていること自体は尊敬に値するが、刺される身としてはやはり辛い…
作業をしていると耳元でプーンと音がするが、いろいろと物の多い工房で蚊を目視するのはとても難しく、仕留められることはほとんどない。両手を離せない重要な作業をしているときに限って、素晴らしいタイミングで手の甲を刺してくる。血を吸っている姿を横目で見つつ作業を続けなければならない時の切なさ…。人間が想像もできないような嗅覚を持っているのだろう。あまりにひどいので、夏の間に使い切ってしまっていた蚊取り線香を急遽買いにいくことになった。
中秋の名月も過ぎたことだし、そろそろコオロギや鈴虫の奏でる音だけを楽しみたい。秋のオーケストラにモスキートーンが加わると一気に風情がなくなってしまう。申し訳ないが、夏公演での名演をお願いしたい。
(青柳)
*モスキートーン:17kHz前後の高周波。人間の可聴音域は20Hz〜20kHzとされるので、かなり高い音。高齢になると聞こえづらくなるので、耳年齢のチェックになる。
Wednesday, 25 July 2018
かなでる
「奏でる」をテーマとした展覧会に参加することになって、その言葉の意味を改めて考えてみた。
まず思ったのは、「演奏する」とは異なるということ。「奏でる」は些細でプラベートなイメージ。日常個人的に爪弾くギターは、「奏でる」だが、同じ曲をステージで演奏するとなると「演奏」となる、ような気がする。
言葉のニュアンスってとても面白い。他人とどこまで共有できているかいつも分からなくなる。でも、そのことについて考えることは楽しいし、終わりのないゲームのようだ。
楽器の出来ない人が「奏でる」となると、どういうことだろうか?そもそも「奏でる」ことは楽器がなくてもできるはず…
頭の中が色々な方向にグルグル回って、出てきた言葉が、「聴く」。
「奏でる」とき、そのひとは、その場の音を聴き、音を発する。必要なければ、何も音を出さないこともあるかもしれない。でも「場」がなければ、「奏でる」ことは誰にもできない。
「奏でる」とは、「その場、その時との音を介した対話」のような気がする。
だから言葉としては、「聴く」がとても近しい。こういう流れで考えてみると、「表現する」という言葉も「奏でる」に近くなってきた。ゲームはつづく…
蝉の声を聞きながら、たわいもなくこんなことをボーっと考えているこの瞬間が、とっても「夏を奏でている」気がする。
(青柳)
*「夏を奏でる」をテーマに展覧会用にCDをセレクトしました。(→インスタグラム参照)真っ白なギャラリーで新しいホワイトモデルのスピーカーで音をお楽しみいただけます。あなたの「奏でる」音楽も再生致しますので、お気軽にスタッフにお尋ねください。(CDもしくは、ステレオミニジャック対応プレーヤーは再生可能)
まず思ったのは、「演奏する」とは異なるということ。「奏でる」は些細でプラベートなイメージ。日常個人的に爪弾くギターは、「奏でる」だが、同じ曲をステージで演奏するとなると「演奏」となる、ような気がする。
言葉のニュアンスってとても面白い。他人とどこまで共有できているかいつも分からなくなる。でも、そのことについて考えることは楽しいし、終わりのないゲームのようだ。
楽器の出来ない人が「奏でる」となると、どういうことだろうか?そもそも「奏でる」ことは楽器がなくてもできるはず…
頭の中が色々な方向にグルグル回って、出てきた言葉が、「聴く」。
「奏でる」とき、そのひとは、その場の音を聴き、音を発する。必要なければ、何も音を出さないこともあるかもしれない。でも「場」がなければ、「奏でる」ことは誰にもできない。
「奏でる」とは、「その場、その時との音を介した対話」のような気がする。
だから言葉としては、「聴く」がとても近しい。こういう流れで考えてみると、「表現する」という言葉も「奏でる」に近くなってきた。ゲームはつづく…
蝉の声を聞きながら、たわいもなくこんなことをボーっと考えているこの瞬間が、とっても「夏を奏でている」気がする。
(青柳)
*「夏を奏でる」をテーマに展覧会用にCDをセレクトしました。(→インスタグラム参照)真っ白なギャラリーで新しいホワイトモデルのスピーカーで音をお楽しみいただけます。あなたの「奏でる」音楽も再生致しますので、お気軽にスタッフにお尋ねください。(CDもしくは、ステレオミニジャック対応プレーヤーは再生可能)
Tuesday, 13 March 2018
ホラー対決 at horaana
たまたま最近、武満徹の映画音楽『四谷怪談』とデヴィッド・リンチ『イレイザーヘッド』を数日置いて聴く機会があった。同じホラー映画のサントラでも全然音から受ける印象が異なっていてたいへん興味深かった。
共通しているのは、生活音の中にスッと入ってくる奇妙な音を効果的に使っているところ。背後から音がしたような気がして、振り返ってしまうような。これはステレオを超えた3D音響の世界ともいえる。それがさらに、ある音が4D的に感じられた瞬間、人は恐怖を感じるのかもしれない。(『四谷怪談』はモノラル録音なのが驚き)
今スピーカーに向かって、2つのサントラを聴き比べているとぜんぜん怖くない。先日は作業をしながら背中越しに離れた場所で聞いていたら、「音だけでこんなに恐ろしいとはスゴイ!」って興奮するほどだったのに。ともに素晴らしい作品だから、リスニングに集中するとどうしても音楽的に感じられてしまうのだろう。
個人的には、『イレイザーヘッド』の方がコワイ。ずっと聴いていたら精神が壊れてしまいそうだ。僕の日常音からあまりにも異質過ぎる。ピーター・アイヴァースの歌う "IN HEAVEN" は美しいが、現実から浮遊していて、白昼夢を見ているようだ。初の長編映画でこんな音響を作り出すなんて、リンチの非凡さに脱帽。
うってかわって『四谷怪談』の音は、日本の音世界。尺八の音で幽霊が登場することにホッとする日本人の僕がここにいる。西洋楽器も多用(プレイペアード・ピアノも!)されていてそのミックス具合が絶妙。音楽的にも音響的にも楽しめる。
建物の外に漏れる『四谷怪談』の音が、horaanaにハマり過ぎて怖かったと部屋に入ってきた妻が言っていた。音を怖いと感じるとき、そのシチュエーションがキーになるのだろう。そもそもふたつとも映画のサントラなのだから、映像と合わせて聴いてみてからどちらが本当にコワイか判断することにしよう。
(青柳)
Wednesday, 31 January 2018
WINTER SOUNDS NO.2
東京で大雪というニュースを聞いて、彦根では今年はあんまり降らないなと思っていた矢先に、一晩でどっさり50cmくらいの積雪。なめたらあかん。
雪が降ると世の中がシンと静まるのが好きだ。雪が音や空気中のゴミを吸い取って静かに地面に落ちていく。雨だと音が多少はするけれど、雪はとても軽やか。
冬の音の良さについて、前回のブログからいろいろ考えている。雪の日の静けさはひとつの良い事例だと思う。「静寂」が音にあたえる影響はとても大きい。まわりが静かだと、繊細な音までよく聞こえるし、必要以上に大きな音で音楽を聴く必要もない。本当に良い音を追求するなら、静かで綺麗な空気がある環境が不可欠だと思う。こればっかりはオーディオ機器でどうすることもできないことだけど。
冬は頭が冷やされて、シャキッとしているのも音がよく聴こえる原因だと思う。いいかえると、自分の知覚の感度が上がっているということ。なんだかんだ言って、良い音と判断するのは結局、自分の感覚。これもオーディオ機器とは関係ない世界。
冬が、音が良く聴こえる「環境」を作り出していることに気づく。良い音を求めるのなら、まずは環境を整えたほうが効果がありそうだ。自分の感覚もなるべく高めておきたいけど、一体どうやったらいいのだろうか?
(青柳)
PS. ノルウェーのオーディオショップ ”HAGTO audio" でスピーカーMONOが試聴いただけるようになりました。美しい自然に囲まれたまさしく音の良さそうなショールーム。一度訪れてみたいものです。
Sunday, 21 January 2018
WINTER SOUNDS
冬って音いいなぁ、とふと思う。
キメが細かい感じ。音は空気の動きだから、気温や湿度が関係していて当然。
2年前にオオルタイチさんと東北ツアーに行った時、音の聴こえ方がぜんぜん違うと思った。気分的なものかもしれないけど、北に行くほど、音が良く感じられた。
日本でも世界でも北国でオーディオが盛んなのは、冬籠りのせいだけではないと思う。クリアな音が日常的に耳に届くと自然と耳が肥えてくるのかも。
音を良くするためにオーディオルームに冬でも冷房を入れる人がいたら凄いな、と想像してみた。ツワモノ揃いのオーディオマニアの世界でもそんな話聞いたことがない。冬が音がいいというのも、一般的な話ではなく、僕の勝手な思い込みかもしれないな。今度ちゃんと調べてみよう。
(青柳)
キメが細かい感じ。音は空気の動きだから、気温や湿度が関係していて当然。
2年前にオオルタイチさんと東北ツアーに行った時、音の聴こえ方がぜんぜん違うと思った。気分的なものかもしれないけど、北に行くほど、音が良く感じられた。
日本でも世界でも北国でオーディオが盛んなのは、冬籠りのせいだけではないと思う。クリアな音が日常的に耳に届くと自然と耳が肥えてくるのかも。
音を良くするためにオーディオルームに冬でも冷房を入れる人がいたら凄いな、と想像してみた。ツワモノ揃いのオーディオマニアの世界でもそんな話聞いたことがない。冬が音がいいというのも、一般的な話ではなく、僕の勝手な思い込みかもしれないな。今度ちゃんと調べてみよう。
(青柳)
Sunday, 7 January 2018
もち型のおと
おせちと日本酒にくわえてお正月の楽しみになっているのは、もちをたくさん食べられること。こんがり焼いてのりと醤油で食べるのが好きだが、お雑煮でお吸い物に入ってしっとりした感じもまた良い。主張しない奥ゆかしい味もよいが、もちならではの触感が最高だと思う。ねばりがあってコシがある絶妙なかたさ。他にありそうでないような気がする。
音楽を聴いていて気持ちいい音だなと感じるとき、中低域にコシのような感覚がある場合が多い。そのコシ具合はいろいろなパターンがあるのだが、まだ分類できる程には研究が進んでいない。でも、ひとつだけ前から分類に入れたいと思っているのが、「もち型」。もちの触感に似た独特のグルーブ感を持つサウンドだ。
代表例は、まりん(砂原良徳)の『LOVE BEAT』。まりんの全ての作品がそういうわけではなく、『LOVE BEAT』以降が「もち型」に入る。「もち型」の音がすごいのは、どんな再生環境でもよい音で聴こえること。カーステレオでも安いイヤフォンでもそれなりに気持ちいい。
このお正月に実家近くのレコード店でまりんの『WORKS '95-'05』が中古で見つかったので買ってみた。DISK 1はファーストから『LOVE BEAT』までのアルバムから選曲された11曲、DISK 2はリミックスワークを集めた15曲というたっぷりとした内容。曲順が年代順になっているので、いつ「もち型」のサウンドになったのかを分析できてとても面白かった。
分かったのは、突然「もち型」になったのではないということ。徐々にサウンドにおける「もちつき」が始められ、LOVE BEAT期に完全に「おもち」として完成した印象を持った。
まりんサウンドの「もち成分」、そして「もちつき」作業がどんなものであるのか知りたいが、そう簡単に分かるものではないんだろうな。「餅は餅屋」ということだし、まりんにまかせておくのが一番なのかもしれない。
(青柳)
音楽を聴いていて気持ちいい音だなと感じるとき、中低域にコシのような感覚がある場合が多い。そのコシ具合はいろいろなパターンがあるのだが、まだ分類できる程には研究が進んでいない。でも、ひとつだけ前から分類に入れたいと思っているのが、「もち型」。もちの触感に似た独特のグルーブ感を持つサウンドだ。
代表例は、まりん(砂原良徳)の『LOVE BEAT』。まりんの全ての作品がそういうわけではなく、『LOVE BEAT』以降が「もち型」に入る。「もち型」の音がすごいのは、どんな再生環境でもよい音で聴こえること。カーステレオでも安いイヤフォンでもそれなりに気持ちいい。
このお正月に実家近くのレコード店でまりんの『WORKS '95-'05』が中古で見つかったので買ってみた。DISK 1はファーストから『LOVE BEAT』までのアルバムから選曲された11曲、DISK 2はリミックスワークを集めた15曲というたっぷりとした内容。曲順が年代順になっているので、いつ「もち型」のサウンドになったのかを分析できてとても面白かった。
分かったのは、突然「もち型」になったのではないということ。徐々にサウンドにおける「もちつき」が始められ、LOVE BEAT期に完全に「おもち」として完成した印象を持った。
まりんサウンドの「もち成分」、そして「もちつき」作業がどんなものであるのか知りたいが、そう簡単に分かるものではないんだろうな。「餅は餅屋」ということだし、まりんにまかせておくのが一番なのかもしれない。
(青柳)
Sunday, 22 October 2017
ちいさな秋の音
horaanaの母屋での仕事を終えて、オーディオのスイッチを切っても、まだどこからか音がしている。ちいさなとても美しい音だ。
耳をそばだててみると、それはコオロギの鳴き声だとわかった。
外からではない。明らかに室内から聞こえてくる。
キョロキョロしながら音の出どころを探ってみると、土間の奥のほうから聞こえてくる。
そういえば、土間で作業していてたまにコオロギを見かけることがあったから不思議なことではない。
ちいさいけれど、とても耳に心地よく、生き生きとしている。
ただ、ずっと聴いていたくなる。メロディーはいらない。音色だけで充分だ。音がこころに染み込んでいく。
小さいものが振動する音はあちこちに広く拡散する。
スピーカーMONOの音も似ている。
それにしても、家の中でコオロギの音が聴けるとは・・・そんな秋の夜には、オーディオはいらないな。
(青柳)
耳をそばだててみると、それはコオロギの鳴き声だとわかった。
外からではない。明らかに室内から聞こえてくる。
キョロキョロしながら音の出どころを探ってみると、土間の奥のほうから聞こえてくる。
そういえば、土間で作業していてたまにコオロギを見かけることがあったから不思議なことではない。
ちいさいけれど、とても耳に心地よく、生き生きとしている。
ただ、ずっと聴いていたくなる。メロディーはいらない。音色だけで充分だ。音がこころに染み込んでいく。
小さいものが振動する音はあちこちに広く拡散する。
スピーカーMONOの音も似ている。
それにしても、家の中でコオロギの音が聴けるとは・・・そんな秋の夜には、オーディオはいらないな。
(青柳)
Wednesday, 18 October 2017
触覚
先日野菜の直売所に行ったら、見慣れない花束のような物が棚に置かれていた。
よく見たら枝豆の束だった。枝付の枝豆は買ったことがあったが、こんなのはじめて。
早速その晩、日本酒のアテに湯がいてみた。ゆで上がってくるときの香りがなんとも良い。
口に入れて驚いた。くちびるにあたる枝豆の毛の触感が凄い。味も言葉にならないくらい美味しかった。新鮮を通り越して生き物のようだ。
枝豆を食べながら、なんだか音の世界と似ているな、と思った。
オーディオでも、最初の一音目に感じる印象がとても大切。
この瞬間、ひとは音の鮮度を感じているのだろう。
聴覚というよりも触覚に近いのかもしれないな。
(青柳)
Monday, 28 August 2017
自分の響きを聴く
WARP RECORDSのサイトに掲載されているリチャード・ジェームス(Aphex Twin)と元korgの高橋達也氏の対談が面白い。Korgの"Monologue"というシンセサイザーの開発に関わったふたりが音に関する様々な話題を語り合っている。
リチャードは開発にあたって、各鍵盤に対して個別にチューニングを設定できる機能(マイクロ・チューニング)をつけることを主張したそうだ。マイクロ・チューニングは、一般的な平均律とは異なる音律にすることもできるし、調律を国際規格である440Hz以外に設定することが可能になる。
チューニングを440Hzではなく432Hzにすると音楽の響きが変化するという話を聞いてネットで調べてみたことがある。世界的に「432Hz VS 440Hz」という論争があって、432Hz=善、440Hz=悪といった内容の記事がたくさん見つかる。音楽教育を受けたことが無い僕は、ただ「本当にそうなのかな。。。」という気持ちになってしまった。
リチャードの音楽制作におけるチューニングに対する発言がとても印象的だった。
―IT’S VERY SIMPLE, BUT DO YOU WANT YOUR MUSIC TO BE BASED ON AN INTERNATIONAL STANDARD OR ON WHAT YOU THINK SOUNDS RIGHT TO YOU?
音楽を世界的な基準に即したものにするか、自分の耳でいいと感じる音にするか・・・
世の中の価値基準ではなく、自分が感じる音を信じているからこそ、Aphex Twinの音楽は独自であり、タイムレスな輝きを放っているのだろう。
善悪や標準を超えたところで、自分にとって気持ち良い響きを追求するリチャードの姿勢にとても共感する。
(青柳)
リチャードは開発にあたって、各鍵盤に対して個別にチューニングを設定できる機能(マイクロ・チューニング)をつけることを主張したそうだ。マイクロ・チューニングは、一般的な平均律とは異なる音律にすることもできるし、調律を国際規格である440Hz以外に設定することが可能になる。
チューニングを440Hzではなく432Hzにすると音楽の響きが変化するという話を聞いてネットで調べてみたことがある。世界的に「432Hz VS 440Hz」という論争があって、432Hz=善、440Hz=悪といった内容の記事がたくさん見つかる。音楽教育を受けたことが無い僕は、ただ「本当にそうなのかな。。。」という気持ちになってしまった。
リチャードの音楽制作におけるチューニングに対する発言がとても印象的だった。
―IT’S VERY SIMPLE, BUT DO YOU WANT YOUR MUSIC TO BE BASED ON AN INTERNATIONAL STANDARD OR ON WHAT YOU THINK SOUNDS RIGHT TO YOU?
音楽を世界的な基準に即したものにするか、自分の耳でいいと感じる音にするか・・・
世の中の価値基準ではなく、自分が感じる音を信じているからこそ、Aphex Twinの音楽は独自であり、タイムレスな輝きを放っているのだろう。
善悪や標準を超えたところで、自分にとって気持ち良い響きを追求するリチャードの姿勢にとても共感する。
(青柳)
Sunday, 27 August 2017
夏のおわり 秋のはじまり
きのうNOTA_SHOPで行われたPolor Mのライブ。夕暮れ時から夜にかけて。夏のおわりと秋のはじまり。そんな時間にぴったりな切ない音が息をのむほど美しかった。スピーカーMONOを3セット使って、キラキラひかる粒に包み込まれるような感じだった。切ない音楽ファンのわたしとしては、はじめてライブを観たPolor Mさんの奏でる音楽にぐっときた。やっぱりライブっていいなとおもったし、直に体験するのは大事だなと思いを新たにした。自分で経験しないと自分にとっての本当の感想は分からない。
(my)
Friday, 18 August 2017
one note samba
音と香りは似ている。どちらも時間の中で流れて、はかなくとどめておけないもの。ある記憶を一瞬に呼び覚ますことができること。もし音や香りがそのまま同じ量で残り続けていたら、不快に感じるだろうところも同じようだと思う。
空間に音や香りが粒子のようにただようとき、その場の空気や雰囲気は変わる。うまくバランスをとれば、贅沢に時間に彩を添える。
なかなか答えがでないことだけれど、これからも考察していきたいテーマのひとつ。
(my)
空間に音や香りが粒子のようにただようとき、その場の空気や雰囲気は変わる。うまくバランスをとれば、贅沢に時間に彩を添える。
なかなか答えがでないことだけれど、これからも考察していきたいテーマのひとつ。
(my)
Thursday, 17 August 2017
the Voice of the Theatre
野外イベントの音響システムには、たくさんの大きなスピーカーが必要というイメージがあった。外で音を出すということは音は四方八方に広がって逃げていく、遠くにいる大勢の人たちに音を届けるには巨大なシステムでないと充分に音が拡散しない、という考えだ。 "PRHYTHM" という野外フェスに参加して、その先入観が覆された。
HPの情報によるとイベントでは、真空管アンプとALTEC A7/A5仕様スピーカーが使われるという。A7/A5は「the Voice of the Theatre」といわれるモデルで、主に劇場で使う目的で開発された。A5は1945年、A7は1954年の発売。低出力の真空管アンプしか存在しない時代に大きな音を出すために開発された。
劇場用のPAスピーカーといえども、さすがに野外イベントとなれば数を増やさないと無理なんじゃないかなと思っていたが、実際に会場に行くとたった2台のスピーカーで驚いた。さらにびっくりしたのが、そのシンプルなシステムが素晴らしいサウンドを作り出していたこと。
山の中にある広大な公園で行われたフェスのステージは、池の上に浮かぶ島にあった。ピラミッド型の彫刻作品の両脇にスピーカーが置かれていた。間近で見ると大きなA7/A5スピーカーがこのシチュエーションではとても小さく見える。それでこれだけの音量が出ているのがとにかく凄い。音はとても自然で耳障りな響きが全くない。音が森の中を楽しそうに飛び交っているのが目に見えるようであった。室内ではけっして味わえない、野外ライブならではの開放的な音の気持ち良さを体験した。アコースティックな響きも良いが、電子音楽を野外で聴くことがとても新鮮だった。
こんな機械を作り出した昔のひとは本当にすごい。音響技術の確立していない時期に試行錯誤したからこそ生まれたような気がする。昔のひとの方が、音の本質に向き合っていたのではないか。よい音を作り出すには、情報や技術より、耳であり、体であり、心であり、すなわち「人」が大切だということを痛感した。
(青柳)
Saturday, 12 August 2017
理想のFESTIVAL
夏といえばフェスの季節。とはいえ、わたしが今までそういったものに行ったのは数える程。基本的にインドアなため、あまり野外でわいわいするイベントに興味がないのだ。帰りたくなっても気軽に帰れないというのもなんだか気乗りしない。すごく観たい海外アーティストが出るとなっても、巨大フェスには行くことがなかった。
それでも昨日奈良の室生山上芸術の森公園でおこなわれたPRHYTHMというフェスは、ゆうきのおふたりがそれぞれソロでそしてPARA TRIOが出演するということ/日中行われる(夜は早く寝たいため大事)/サウンドシステムが気になる/小規模でこじまりとしている等のそそられる理由が多く、めずらしく行く気になった。
彦根からドライブ気分で、水筒に三年番茶、そしておむすびをつくって会場に出かけた。山奥と思っていたけど、意外とそうでもなく会場はとても設備が整ったきれいな場所だった。
公園一帯が、ダニカラヴァン氏制作のアート空間。モニュメントと自然が一体となった不思議に落ち着く気のめぐりの良い場所。入場からどきどきわくわくした。
ちょうどOORUTAICHIさんの出番に間に合い、お昼どきの真夏の太陽を受けた緑とピラミッド型舞台の上から流れる歌声とギターが風にふかれてきらきら光っている様子にしょっぱなから感動した。そしてそのあとのDJ(MONGOOSEさん→YA△MAさん)が、とても好みでこんな空間でこういった種類の音楽を聴く体験はなかなかできないなと思った。YTAMOさんのライブは、ささやかな音量が蝉の鳴き声といった自然の音と混じりあい、まわりの木々に囲まれた空間からサラウンドのようにつつまれているような感じがすばらしく、ふわーっと気持ちよかった。ラストのPARA TRIO。夕暮れ、刻々とあたりの色が変わる様子を眺めながら楽しんだ。
フェスに対して苦手意識があったけど、こんなフェスならまた参加したいなと考えを改めた。とても贅沢な夏休みらしい一日を過ごすことができ大満足。
会場の雰囲気も、さまざまなひとがそれぞれの楽しみ方で自由に楽しんでいる風通しのよい感じがこのイベント良さに拍車をかけていた。
このフェスのすてきさをなかなか思ったように文章で伝えることができずに歯がゆいのだけれど、とにかくすごく行ってよかった!!!
(my)
それでも昨日奈良の室生山上芸術の森公園でおこなわれたPRHYTHMというフェスは、ゆうきのおふたりがそれぞれソロでそしてPARA TRIOが出演するということ/日中行われる(夜は早く寝たいため大事)/サウンドシステムが気になる/小規模でこじまりとしている等のそそられる理由が多く、めずらしく行く気になった。
彦根からドライブ気分で、水筒に三年番茶、そしておむすびをつくって会場に出かけた。山奥と思っていたけど、意外とそうでもなく会場はとても設備が整ったきれいな場所だった。
公園一帯が、ダニカラヴァン氏制作のアート空間。モニュメントと自然が一体となった不思議に落ち着く気のめぐりの良い場所。入場からどきどきわくわくした。
ちょうどOORUTAICHIさんの出番に間に合い、お昼どきの真夏の太陽を受けた緑とピラミッド型舞台の上から流れる歌声とギターが風にふかれてきらきら光っている様子にしょっぱなから感動した。そしてそのあとのDJ(MONGOOSEさん→YA△MAさん)が、とても好みでこんな空間でこういった種類の音楽を聴く体験はなかなかできないなと思った。YTAMOさんのライブは、ささやかな音量が蝉の鳴き声といった自然の音と混じりあい、まわりの木々に囲まれた空間からサラウンドのようにつつまれているような感じがすばらしく、ふわーっと気持ちよかった。ラストのPARA TRIO。夕暮れ、刻々とあたりの色が変わる様子を眺めながら楽しんだ。
フェスに対して苦手意識があったけど、こんなフェスならまた参加したいなと考えを改めた。とても贅沢な夏休みらしい一日を過ごすことができ大満足。
会場の雰囲気も、さまざまなひとがそれぞれの楽しみ方で自由に楽しんでいる風通しのよい感じがこのイベント良さに拍車をかけていた。
このフェスのすてきさをなかなか思ったように文章で伝えることができずに歯がゆいのだけれど、とにかくすごく行ってよかった!!!
(my)
Tuesday, 1 August 2017
遠くの花火
夜になってレコードを聴いていたら、外からボンボンと低音が聞こえてきた。
そういえば今日は彦根花火大会だ。観に行く予定はなかったけど、音を聞いていたら祭りの太鼓のように参加を呼びかけられているようで、ソワソワしてきた。
horaanaの母屋から外に出ると、遠くに花火の光が見えた。しばらく見ていると花火の輪がいくつも重なって見えた。遠くから観る花火もなかなかいいものだ。
花火会場までは10キロくらいはある。きこえてくる音は低音ばかりだ。
低音は力強い。音楽にとって低音は要であるが、強すぎると他の音を飲み込んで細かい音を聴き取りづらくしてしまう。特にバスレフタイプで低音のよく聴くスピーカーはその傾向が強い。バスレフスピーカーは、一定の周波数の低音を共鳴させて低音を補っている。花火の音のようにボンボンと鳴って気分は高揚するが、音楽の繊細さは伝わらない。
スピーカーMONOのようなバックロードホーンスピーカーは、低音の音階・音色・ニュアンスが聴き取りやすい。振動板後方から発せられた全ての低音をホーンの原理で等しく増幅しているからだ。自然な響きの低音は、高音・中音をより引き立てる。バスレフの強い低音に慣れた人にとっては、バックロードホーンは低音が出ていないと感じることもあるようだ。
遠くの花火の音を聴きながら、低音の質について改めて考えさせられた。
(青柳)
そういえば今日は彦根花火大会だ。観に行く予定はなかったけど、音を聞いていたら祭りの太鼓のように参加を呼びかけられているようで、ソワソワしてきた。
horaanaの母屋から外に出ると、遠くに花火の光が見えた。しばらく見ていると花火の輪がいくつも重なって見えた。遠くから観る花火もなかなかいいものだ。
花火会場までは10キロくらいはある。きこえてくる音は低音ばかりだ。
低音は力強い。音楽にとって低音は要であるが、強すぎると他の音を飲み込んで細かい音を聴き取りづらくしてしまう。特にバスレフタイプで低音のよく聴くスピーカーはその傾向が強い。バスレフスピーカーは、一定の周波数の低音を共鳴させて低音を補っている。花火の音のようにボンボンと鳴って気分は高揚するが、音楽の繊細さは伝わらない。
スピーカーMONOのようなバックロードホーンスピーカーは、低音の音階・音色・ニュアンスが聴き取りやすい。振動板後方から発せられた全ての低音をホーンの原理で等しく増幅しているからだ。自然な響きの低音は、高音・中音をより引き立てる。バスレフの強い低音に慣れた人にとっては、バックロードホーンは低音が出ていないと感じることもあるようだ。
遠くの花火の音を聴きながら、低音の質について改めて考えさせられた。
(青柳)
Saturday, 15 July 2017
生まれた土地の音
試聴会モノノネ空間で久しぶりに横浜を訪れている。二年前にスピーカーMONOは、神奈川県藤沢市で誕生した。
街を歩いていてまず感じたのは、「風の気持ち良さ」だった。軽やかな動きのよい風が吹いている。
常々、音は風みたいだと思う。気持ち良い風が吹く神奈川の土地でMONOが生まれたことを嬉しく思う。
black&whiteセレクトの素晴らしいプロダクトに囲まれ、生まれた土地の空気の中MONOは楽しく音を鳴らしている。
今回新しく仲間入りしたシェルフMIMIもまわりの様子を伺いながらインテリア空間にとけ込んでいるように見える。
心地よい空間でスピーカーが鳴っていると、いつも不思議と良い音だと感じてしまう。それでいて、その場の個性というものも同時に感じるから面白い。モノノネ空間の醍醐味。
(青柳)
Thursday, 6 July 2017
ベリー・ファッキング重低音
先日、ゆうきのライブ開演前にBGMでテーリ・テムリッツの『fagjazz』を会場に流した。
なんとなく持参したCDだったのだが、YTAMOさん、オオルタイチさんともに好きな作品だったみたいで、嬉しくなった。
ふたりの話によると、このCDのマスタリングは特殊で、音量をかなり控えめにしているらしい。そうすると、音量のリミットによる音の頭打ちが無くなり、音は本来の姿のまま再生される。特に音量制限を受けやすい低音がつぶれることなく、豊かでくっきりとした音になる。
これは現代のポップミュージックで主流となっている「可能な限り音を詰め込むマスタリング」とは真逆のアプローチだ。情報はなるべく多い方がよいという、現代人のあたりまえ。その背後には、大きな音で他より目立って、沢山売るぞ!というお金もうけの精神が反映されている。また、大きい音を迫力のある良い音と感じてしまう人間の特性を利用して、オーディオ業界の試聴は、かなり大きな音で行われている。こんな状況では、「音楽=うるさい」という一般的なイメージがついてしまっても仕方がない。
テーリ・テムリッツのハウスミュージックは、類まれなる美しさ・気品を纏っている。
控えめな音に潜む、伸びやかな生命力を感じる。
裏ジャケに書かれた「ベリー・ファッキング重低音」という言葉にしびれる。
(青柳)
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