Tuesday 1 August 2017

遠くの花火

夜になってレコードを聴いていたら、外からボンボンと低音が聞こえてきた。
そういえば今日は彦根花火大会だ。観に行く予定はなかったけど、音を聞いていたら祭りの太鼓のように参加を呼びかけられているようで、ソワソワしてきた。

horaanaの母屋から外に出ると、遠くに花火の光が見えた。しばらく見ていると花火の輪がいくつも重なって見えた。遠くから観る花火もなかなかいいものだ。
花火会場までは10キロくらいはある。きこえてくる音は低音ばかりだ。

低音は力強い。音楽にとって低音は要であるが、強すぎると他の音を飲み込んで細かい音を聴き取りづらくしてしまう。特にバスレフタイプで低音のよく聴くスピーカーはその傾向が強い。バスレフスピーカーは、一定の周波数の低音を共鳴させて低音を補っている。花火の音のようにボンボンと鳴って気分は高揚するが、音楽の繊細さは伝わらない。

スピーカーMONOのようなバックロードホーンスピーカーは、低音の音階・音色・ニュアンスが聴き取りやすい。振動板後方から発せられた全ての低音をホーンの原理で等しく増幅しているからだ。自然な響きの低音は、高音・中音をより引き立てる。バスレフの強い低音に慣れた人にとっては、バックロードホーンは低音が出ていないと感じることもあるようだ。

遠くの花火の音を聴きながら、低音の質について改めて考えさせられた。

(青柳)