horaanaの母屋での仕事を終えて、オーディオのスイッチを切っても、まだどこからか音がしている。ちいさなとても美しい音だ。
耳をそばだててみると、それはコオロギの鳴き声だとわかった。
外からではない。明らかに室内から聞こえてくる。
キョロキョロしながら音の出どころを探ってみると、土間の奥のほうから聞こえてくる。
そういえば、土間で作業していてたまにコオロギを見かけることがあったから不思議なことではない。
ちいさいけれど、とても耳に心地よく、生き生きとしている。
ただ、ずっと聴いていたくなる。メロディーはいらない。音色だけで充分だ。音がこころに染み込んでいく。
小さいものが振動する音はあちこちに広く拡散する。
スピーカーMONOの音も似ている。
それにしても、家の中でコオロギの音が聴けるとは・・・そんな秋の夜には、オーディオはいらないな。
(青柳)