Thursday, 8 November 2018

AUTECHRE IN AUTUMN

スピーカーMONOを使い始めてからだろうか、オウテカの存在感がどんどん大きくなって来ている。
基本的に派手さがない音楽だと思うが、一つ一つの音を味わうとじんわり美味しい。
かなり硬質なテクノサウンドがこれほどまでに温かく感じられるのは、やはり作り手の心がなせる技なのだろう。
MONOのおかげで今までスルーしてしまっていたような音楽の背後にある何かを感じられるようになった気がする。

ついに以前から気になっていたオウテカの1991年から2002年までのEPを集めたボックスを手に入れた。
黒のペーパーボックスに収められたトーンの異なるグレーのCD5枚。つや消しの紙ジャケットにある文字は曲名のみ。しかも全てプリントではなく型押し。そして必要な情報は、CD盤面に読めないくらい小さな文字でサークル状にぎっしり記載されている。
美術館でスゴイ作品に不意に出会ってゾクゾクしたような感覚。これぞアート。僕はそう思う。

気がついたら最初から最後まで一気に聴いてしまった。47曲5時間39分59秒あるらしい。
秋の空気にオウテカはよく合う。
horaanaに訪れた突然の「藝術の秋」。

(青柳)