Thursday, 7 June 2018

古今東海道

BRANDINでのイベントに参加するために、先日滋賀から湘南まで車で移動した。いつもはすぐに高速道路に入るのだが、ナビに途中まで下道でも時間が変わらないと案内されたので、山越えルートを使ってみた。

昼食のおむすびを片手にのどかな景色を見ながら山道を走っていると、「近江商人感」が高まって来た。徒歩で野山を越え、遠い江戸まで移動していた昔の商人たちの姿が脳裏に浮かんだ。カーステレオで音楽を聞き、ナビで移動している現代人は随分とお気軽なもんだと思った。

山を越え、聞き慣れない「東員」という入口から高速道路に入った。辺りは高架工事の真っ最中。東海環状自動車道という大きな輪っか状の道が名古屋を取り巻くそうだ。久しぶりに高速で移動すると、日本のいたるところで道が拡張していることを知る。果たしてこれ以上便利になる必要性があるのだろうか?

伊勢湾岸道、新東名で御殿場まで走った。新東名の連続トンネルを通るたび、美しい山々に穴が開けられたことを痛々しく感じた。ハンドルを握っていると、かなり効率的に道づくりがなされていることに気付く。アップダウンを少なくし、最短経路で図面を引いた感じだ。それゆえに車窓からの景色は、変化が乏しい。そう思うと東名自動車道は、東海道の名残からなのだろうか、まだ元々の地形をなぞった印象があり、景色にも風情がある。

それにしても、人間の都合だけで、野山を削り、簡単に自然の地形を変えてしまっていいのだろうか?一度作ってしまったものは、もう元には戻らないのに… スピード・効率という分かりやすい判断基準だけではそろそろ無理があるような気がする。

地震で東名が通行止めになり、国道1号線で神奈川から滋賀まで移動したことがある。渋滞のせいで12時間以上かかった。音楽を聞き、ぼんやりと景色や国道沿いの店を眺めながら運転した。浜名湖近くの定食屋で昼ご飯を食べた。滋賀の山に落ちていく夕陽がいつもと少し違って見えた。

ゆっくり移動すると情緒や風情が増してくる。東海道五十三次を旅した昔の近江商人は何を考えながら歩を進めていたのだろうか。

(青柳)

Thursday, 31 May 2018

ブランディン

藤沢に住んでいたときのこと。雑誌をぱらりとめくっていたら、とあるカフェについての記事を見つけた。そのお店は隣の市、茅ヶ崎にあるらしい。

ぴんとくるものがあり訪れてみたら、記事を読み想像していた以上にすばらしかった。そのカフェというのが、Music Library & cafe BRANDIN。

壁一面にあるレコードや本。落ち着ける居心地のよい空間。そして美味しいコーヒー。好きなものがいっぱいつまった夢のような場所をみつけて、とても興奮したのを思い出す。

ブランディンで過ごす日曜日の午後は、わたしたちにとって至福のひとときとなった。ライブラリーから本を選び、音楽を聴きながら、美味しいのみものをいただきくつろぐ時間。すてきなオーナーご夫妻といろいろおはなししたり。

そしてお食事付きで行われる夜の音楽イベントに行くのも楽しみとしていた。イベント自体はもちろん、お食事もおめあてだった。(すごくすごく美味しいのです!)いつも帰りに思うことは、音楽っていいなってこと。

神奈川から滋賀に越してきてから、ブランディンにふらりと行けない距離感を寂しく思っている。

(my)

【お知らせ】
そのブランディンで6/3(日)に行われるトークイベントに参加いたします。

期間中(6/1~6/15)、店内でスピーカーMONOを試聴することもできます。
よろしければ、お越しいただけるとうれしいです。

"DOGS @33 1/3r.p.m."|“HORA MEISTER’S VOICE"詳細>

Sunday, 27 May 2018

夢が叶うということ

20年以上探していたレコードを先日ついに手に入れることができた。無茶苦茶レアということもないのだが、今まで不思議と縁がなく、レコードショップでお目にかけたことがなかった。

その音源はずっと愛聴している。ロンドンに留学していた時、近所の図書館がそのレコードを所蔵していて、MDにダビングした。返却するときはとても名残惜しかったが、きっとすぐに見つかると楽観的に思っていた。それが簡単に叶わなかったことで、このレコードは僕にとって特別な存在になった。

時代は変遷し、音源はMDからmp3に姿を変え、幾度と無くその音楽を再生してきた。完全に耳に馴染むほど愛聴して来たが、自分の肌の一部になっているような感覚にならないのが、デジタル音源の持つある種の宿命的欠落感なのかもしれない。でもレコードでこれほどの回数聴いていたら、溝が無くなっているかもしれないな。

このレコードを所有している人に出会う度、僕のWANT LISTのトップだと話してきたが、みんなそんなに珍しいの?という感じだった。その度に、いつかきっと自分の手元にやって来ることをずっと夢見てきた。

その念願のレコードを先日ヤフオクで購入した。競うことなくリーズナブルな価格で落札。インターネットは夢を呆気なく叶えてくれた。

届いたレコードをよくクリーニングしてから、ターンテーブルに載せた。溝をこすって生まれる音はやはり、体にとても気持ちいい音だった。空間に浮遊する音をぼーっと聴きながら、夢が叶ってしまうことは、嬉しい反面、淋しさも同時に感じることを知った。

レコードを入手してから、毎朝起きたらすぐに聴いた。再生が終わると、毎回クリーニングして盤を磨いた。中古レコードは、溝についしつこい埃がとれるまで時間がかかることがあるからだ。

ある朝、聴き終えジャケットにレコードを入れようとした時、うっかり手を滑らして床にレコードを落とした。拾って盤を確認すると、くっきりと大きな傷が入っていた。自分のドジさ加減に呆れ、楽観的な僕でもさすがに落ち込んだ。針を落としてみると、音飛びは無かったが、A面数曲に渡って、いくら磨いても消えない「プツッ」という音が無数に刻印されていた。新しく自己主張の激しい演奏者を加えたように。

こうして、念願のレコードに悲しい記憶が刻まれてしまった。そのレコードはリプレス盤だったので、いつかはオリジナル盤を手に入れるという新しい夢が代わりにできた。

夢は夢のまま、簡単に叶わない方が良いのかもしれない、と自分を慰めることにした。次にこのレコードを手に入れるまでは、ノイズの乗ったこの音と付き合って行こうと思う。レコードの道は果てしない・・・

(青柳)

Saturday, 19 May 2018

天体観測

ここ数週間で気になる星の動き。

80年代、小学生だったわたしの夢は天文学者になることだった。科学部にも入り、科学館のプラネタリウムに通っていた。いまはないかもしれない星の輝きが時空を超えて地球に届く不思議。分からないくせに、天文年鑑みたいなものもねだって買ってもらった記憶がある。

天文が気になった理由として、「うる星やつら」「銀河鉄道の夜」といった今ももすごく大好きなアニメ作品の影響もあったのかも。星の万博やハレー彗星、宇宙や天文、星というものも世の中的に流行っていた。ミーハーでテレビっ子だったわたしはそういったものもきっと嗅ぎ取っていたのだろう。

そんなことを、大人になったここ最近まで忘れていた。そして急に気になったホロスコープのこと。これって、いろいろ変わる転機なのかしら。

昨日、手紙を出すために郵便局に行ったら、特殊切手として「天体シリーズ 第1集」というものが発売されていた。パソコン画面でみるより、実物の方が格好良い。ホログラムできらきら光るのです。これからは切手で出すとき、これを使いたい。(1シート=10枚で買わなきゃいけないのは・・・だけど。)

そんなこんなでここしばらくは集中して星を読んで夜空に思いを馳せようと思っています。

(my)

Tuesday, 15 May 2018

音楽との対話

音楽と自分との距離感に興味がある。

ずっと遠いと思っていた音楽が、あることがきっかけで親密な関係性になること。
そのトリガーは意外とちょっとしたことが多い気がする。

その音楽をより深く聴き、知ることで、自分に近くなる。先入観なく自由な気持ちで接することで、今まで感じなかったような一面が浮かび上がってくる。

音楽との対話。
自分自身と会話しているような錯覚を覚えることもあるから面白い。

(青柳)

Friday, 11 May 2018

好き好き大好き

こちらに越してきたとき、ひきちガーデンサービスさんが書かれたオーガニックガーデンについての本を何冊も読んだ。野性味溢れる庭と荒れ果てた庭はもちろんのこと違う。自分たちの手で手入れしなくてはいけない。そのときは、ふーんそんなものかなと思っていた。

何回か季節がめぐり、庭の手入れをするうちに、生えている野草がいい感じになってきた。はじめ越してきた頃の背の高い単一感のする荒れ果てた感じから、年々種類も増えバラエティに富んできている。

今年は、なんと!生えてきたらいいなーとひそかに思っていたよもぎが生えているのを発見!野草というのは、その土地が気に入らないと植え替えても根付いてくれないから。

そしてわたし、すごくよもぎが好きなのです。おいしい蓬のお菓子はもちろんのこと、お灸のもぐさもよもぎからできている・・・すごい!

昨夜、やわらかい摘みたてのよもぎの葉を天ぷらにしていただいた。すごい野生の力を感じた。パワーが強すぎて、たくさん食べてはいけないものだなというのも思った。

今朝、なんだかすっきり調子がよいというか、効果があった気がする。野草がますます気になり、好きになってきた。

(タイトルは、戸川純の曲から。ここ何日かずっとこの曲のメロディーが頭をめぐっています。PVもいい。)

(my)

Wednesday, 9 May 2018

レイン

朝からシトシトと雨が降り続いている。
大型連休がおわり、世界はいつもの日常へ。

雨水は草木に潤いをあたえ、雨音は人の心を鎮めてくれる。
この土地に住み始めてから、雨との関係性が自然と変化した。

連休中にあたりの田んぼには水がはられ、田植え作業が完了したようだ。
カエルの悦ぶ歌声が響き渡る季節。

(青柳)