インターネットでレコードを購入し始めたのがいつだったのか忘れてしまったけど、ネットショッピング黎明期において、やっぱりAmazonの存在は革新的だったと思う。
日本にAmazonがやってくる以前から各国のAmazonを利用していた。莫大なタイトル数の取り扱い、簡単で安心して使えるシステム、何より魅力的だったのは、送料は多少かかるけれど、海外価格で格安にレコードが手に入ることだった。送料もレコード価格が安いので、合算しても割安感があった。
日本で買い逃していたタイトル、リリースされていることを知らなかったCDやレコードを見つけることが出来た。今では当たり前のことだけど、インターネットの検索能力のなせる技に単純に驚いていた。当時ヨーロピアンジャズにハマっていて、ドイツのAmazonでしか取り扱いがないCDが結構あった。ドイツ語がろくに分からないのに、アメリカAmazonのページを参考にしながら購入していた。(一度届かなくて焦ったことがあったが、英語で親切に対応してくれた。)
Amazonジャパンが誕生し、さらに使いやすく、送料を気にせずにレコードを購入できるようになった。気がついたらレコードだけでなく、書籍や諸々の品を購入するようになっていた。安くて便利な物の浸透力は強い。
いつ頃からか、Amazonでのレコード購入がそれ程楽しめなくなっている自分がいた。自分の購入・検索履歴から自動表示されるおすすめ商品も最初は情報としてありがたかったが、そのうちに似通った狭い世界の音楽ばかりを聴いている気がして来てしまった。
それに比べて、実店舗でのレコードハンティングはスリリングだ。ジャンルを飛び越えて新しいレコードを見つけてしまう。素晴らしいレコードとの出会いはいつも奇跡のようだと思う。その記憶はレコード店で購入したときのほうが強く脳に刻まれていることに気づいてからだろうか、価格よりもどこでどのように音楽に出会い、手に入れるのかということの方に重きを置くようになって来た。
最近では世界中のネットショップが発展し、必ずしもAmazon価格が最安でないこと、結構Amazonでは取り扱いがない商品が存在することが判明してきた。とはいえ、Amazonの豊富なデータベースはとてもありがたい存在だ。まるでコンビニエンスストアのように現代人のミュージックライフを支えているような気がする。結局、使い方はその人次第というところだろうか。
(青柳)