Sunday 10 May 2020

早起きのときは

ここ最近、かなり早い時間に目がさめるようになった。深夜といっても良いくらいの時間に驚いて、このまま起きてたら体が持たないと思い、寝床に戻ることもある。

もともと朝型タイプだが、太陽が昇っていても全然起きれない時期もあれば、今のように過度に早起きな時期もある。その両極端の間には、もちろん適度な時間帯に起きている時期がある。周期はだいたい2〜3年といった感じで、どういうことなのか、自分でもよく分からない。

寝床で日が昇る時間になることを待つことも多い。最初に教えてくれるのは、カラスだ。まだ暗い朝のある瞬間に、どういうつもりか分からないけれど、鳴き声を上げる。うっすらと日光が感じられるような時間になると、様々な鳥たちがあちこちから、何とも心地よい音を奏でる。こんな最高な音響の目覚まし時計はないと思う。サウンドは、サラウンドで立体的、かつ、とても自然だ。

起床してからの最初の日課は、コーヒーを淹れること。1日で飲む5杯分くらいの量を一度に作っておく。朝日を見ながらのコーヒー&スモーキング。そのあと、真空管アンプを温めてから音楽を聴く。レコードで聴くことが多い。それもクラシック音楽。生楽器のアナログサウンドがしーんととした朝の空気によく馴染む。

静かなピアノ曲や小編成の室内楽が定番。そのあとはその日の気分でレコードを選ぶ。最近、早朝に小さな音で聴いて鳥肌ものだったのが、BRIAN ENO "DISCREET MUSIC"。僕が持っているLPの盤質はかなり悪く、なかなか聴く機会がないレコードだった。

針を載せた瞬間、生まれたての朝の空気の中、スクラッチノイズが朝靄のようにとても美しく浮かび上がった。靄が晴れるように徐々に音楽が聴こえてきて、一時クリアに響く。朝日のようだと思った。その後、途中幾度となくノイズによって音楽が遮られながらゆったりと音楽が空間に漂う。レコードのノイズがこれほどまでに美しく響いたのは初めての経験だった。

「早起きは三文の徳」だなと思った。

(青柳)