Wednesday 7 March 2018

遠いむかしがここに

近所にありながらなかなか行けずにいた太郎坊宮に先日ついにお参りすることができた。車で近くを通るたびにそびえ立つ山のただならぬ存在感に圧倒されていた。神聖な場所ゆえ、自分の気持ちが熟成するまで訪れるのを待っておこうと思っていた。それがある日、近所に用事があったこともあり、なんとなく行ってみようかな、と軽い気持ちで思うことができた。

実際に訪れてみると想像以上に迫力のある岩山。岩が生き物のようだった。大きな岩だけでなく、転がっている小石も呼吸しているような印象を受けた。天狗の太郎坊さんが守っている夫婦岩のすき間を通り抜けた時は、時空が変化するような不思議な感覚に。岩の間から空を見上げたときのふたつの岩が切り出した帯のようなブルーグレーの空が忘れられない。
  
神社にあった案内板によると、この岩山は約7000万年前に起こった湖東カルデラの噴火によってできたという。地図をみると、琵琶湖の3分の2くらいの大きさの噴火口。現在の琵琶湖を取り巻く山々はその時の名残のようだ。恐竜がいたような時代に起こったとんでもない規模の大爆発。これくらいの大きさの噴火が起きると地球規模で気候に影響があったらしい。

horaanaもその噴火口の中にあった。想像を絶する遠い昔の出来事だけど、日頃庭いじりで土や石を触っていると、今の僕もその噴火エネルギーの恩恵で生きているのが実感できる。むかしがここにある感覚。これから土堀り作業が考古学者気どりになってしまいそうだ。

(青柳)