人と犬が使われているものは数枚あったのだが、「犬ジャケ」というからには、犬だけが堂々とジャケットで、なおかつ音楽も好き、というレコードを選びたいという欲にかられた。結局イベントでは、イラストで描かれた犬と月が載ったMOONDOGの「Snaketime Series」から選曲した。でも、ムーンとドッグなはずなのに、イラストの犬が狼にしか見えないところが、どこかイマイチ感を心に残す結果に…
BRANDINでの展示を観ても犬オンリーの犬ジャケはほとんどなかった。猫ジャケは本が出てるくらいだから沢山あるんだろうけど、犬ジャケは絶対数が少ないんだろうなぁ。
先日レコード棚を見ていると不意に犬の顔が飛び込んできた。それもかなりのインパクト。加藤和彦『スーパー・ガス』だ。全くの盲点だった。久しぶりに聴いてみると内容もとても素晴らしい。イベント前に発見されなかったことが残念。でも、そんなもんだよな…
思っていたことは、いつもかたちを変えて後からやって来る。自分の想像とは違ったものとして、目の前にスッと現れるから面白い。そんな経験が多々あるので、物事が上手くいかないときも、その時を心待ちにしてのんびりと構える癖がついた。今回の話では少し大げさだけど。
それにしても、面白い音楽だ。特に『せっかちと』のパンク・スピリットに痺れる。これはまさしく、NEU!。つのだ☆ひろがハンマービートを叩いている。wikiによるとジャケのスーパーマンは、加藤和彦の知人が飼っていた「ガス」という名の犬。そう思えば、このアルバムのフワフワした謎めき具合は、ガスのよう。過度な吸引には気をつけよう。
(青柳)