インターネットでレコードを買えるようになって、一番楽しいのはDiscogsでの買い物。世界各地のレコード屋さんから直接購入することができるなんて夢のようだ。アーティストやレーベルのディスコグラフィーに直結しているので、「こんなリリースがあったのか」とそのまま買ってしまうことも多々。WANT LISTのレコードを探すには本当に最適だと思う。探し求めていたレコードを購入することが多いので、手堅い買い物なのだが、レコード以外のドキドキ感が付随しているのがハマってしまうところ。
国際郵便で送られてくるので、いつ届くのか具体的にわからない。「もしかしたら届かないかも。」なんて思いながら毎日配達を心待ちにするのも童心に戻ったようで悪くない。ついに届けられた時の嬉しさといったら。この感情は国内配送では味わえない。
届いたレコードのパッケージを見るのも楽しみのひとつ。ダンボールの色や質、テープの貼り具合、手書きで書かれた宛名、発送国の切手の絵柄。長旅を終えて海外からやって来たという佇まいを全体にまとっている。匂いもどこか違う。
再利用されたツギハギの破れたダンボール、グチャグチャに貼られたテープに殴り書きの住所というすごい状態で届いたフランスからのパッケージが抜群にカッコ良く、アートを感じてしまったこともある。最近ドイツから買ったゴンチチのLPは、保護のためにナナ・ムスクーリのダブルジャケットに包まれて送られてきた。(写真参照)ギリシャからのレコードは、自分で撮った犬の写真のポストカードにメッセージをつけて同封してくれていた。どこの国かは忘れたが、パッケージを開封すると「Enjoy Music!」と書かれたダンボールの切れ端が出てきたこともある。(今も捨てられずに保管している。)
Discogsでの買い物は、大手のオンラインショッピングでは味わえないような前時代的なアナログ感がある。海外の人とちょっとしたコミュニケーションがとれたり、文化の違いを楽しめるのが良いところ。異国に思いを馳せながら届けられたレコードを聴いていると、つかの間の旅行気分を味わえる。
(青柳)