この時期になると行事のようにストラヴィンスキー『春の祭典』が聴きたくなる。
先日ラジオで初演時のエピソードを紹介していて面白かった。
難解な作品に怒り出す人多数、気がつくと後ろの観客に頭を殴られていたりしたそうだ。
タイムマシンがあれば、1913年パリ、シャンゼリゼ劇場の初演公演を体験してみたいものだ。
ニジンスキー振り付けによるバレエ・リュスのダンスと衣装を観ながら聴く、未知なる『春の祭典』。
会場の熱気とざわめき。想像しただけでゾクゾクする。
大好きなアリス・コルトレーンのアルバム『ETERNITY』に『春の祭典』のカバーが収録されている。
ジャジーかつエキゾチックな編曲で、ジャケットの着物を来たアリスを見ながら聴いていると、不思議と和の印象さえ受ける。
100年経っても全く古びることない音楽。
大衆に媚びることなく表現されたからこそ、これほどの強度をもつのだろう。
(青柳)